絵本『せかいのこどもたちのはなし はがぬけたらどうするの?』――抜けた歯のゆくえ
2008-11-19


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昨日娘の抜歯のことを書いて思い出したのが、『せかいのこどもたちのはなし はがぬけたらどうするの?』という絵本である。作者のセルビー・ピーラーさんはアメリカの人で、何年もかけて世界中の風習を調査した。「はがぬけたらどうするの?」って世界中の子ども達に聞いてみたのだそうだ。そうしたら、いっぱい面白い答えが返ってきたという。読んでみると、いろいろなパターンがあった。この絵本は「はがぬけたらどうするの?」という問いを通して、世界にはいろいろな風習や考え方があることを楽しく教えてくれる。とても面白かった。今日も世界のどこかで誰かの歯が抜けている。その歯の行方は…

【歯の妖精やネズミ、牛、小鳥、うさぎが持っていく。お返しにお金をくれることも】
 アメリカやカナダ、メキシコ、コロンビア、ベネズエラ、アルゼンチン、南アフリカ共和国、デンマーク、イギリス、オーストラリア等では、歯の妖精がぬけた歯を持って行く。置く場所は枕の下だったり、コップの中だったり、スリッパの中だったり、いろいろ。この歯の妖精が素敵なのは、歯を持っていくかわりにお金やプレゼントをくれるところ。アメリカのホームドラマ「フルハウス」のミシェルも歯が抜けたからお金ちょうだい、とパパに話していたのを思い出した。ミシェルは誰がくれるのかちゃんと分かっているらしい。
 国によっては、歯の妖精ではなく、うさぎ(エルサルバドル)だったり、ネズミ(グアテマラ、ハイチ、アルゼンチン、コロンビア、ウガンダ、フランス、スペイン)、牛(ジャマイカ)、ことり(ブラジル)だったりもする。

【記念にとっておく――歯でアクセサリー】
 コスタリカはお母さんが抜けた歯に金メッキをしてその子どもだけのイヤリングに、チリでは金か銀の鎖をつけてちいさなペンダントにしてくれるらしい。この絵本には書いていなかったけれど、全部の歯をペンダントやイヤリングにするのかしら?自分の歯のイヤリングって、ちょっと怖い気もするけど…みんながしていたら怖くない、のかも。

【自然に返す――屋根に投げる、土に埋める、太陽に向かって投げる、木の穴や枝や葉っぱの間にいれる、犬や鶏に食べさせる、畑に植える】
 ドミニカ共和国、カメルーン、ボツワナ、ベナン、モーリダニア、ギリシア、グルジア、モルドバ、インド、スリランカ、カンボジア、インドネシア、シンガポール、タイ、ベトナム、中国、日本、韓国、台湾では抜けた歯をうちのやねに放り投げる。「下の歯は屋根に、上の歯は下に」という国も、屋根だけに投げるのもある。
 アフガニスタン、バングラデシュではネズミの巣穴に歯を落とし、ネズミに新しい歯を持ってくるように言うらしい。
 リビア、エジプト、モロッコ、レバノン、オマーンでは太陽に向かってなげるそうだ。エジプトでは太陽にむかって「おひさま、おひさま、ぴかぴかのおひさま。すいぎゅうの歯をあげるから、花嫁の歯をください」って言って、投げるらしい。モロッコは太陽は太陽でも、朝陽ときまっている。
 トルコやネパール、トルコ、タジキスタン、マレーシア、アメリカの先住民・イエローナイフ・デネ、オーストラリアの先住民・アボリジニは埋める派。それぞれ特徴があって、例えば、タジキスタンは抜けた歯を全部畑に植えておくと、歯が大きくなって勇ましい戦士になるといわれているらしい。アメリカ大陸の先住民・イエローナイフ・デネの場合は木の穴や枝や葉っぱの間にいれ新しい歯が木のようにまっすぐのびるように家族みんなで木の周りで踊るのだそうだ。
 食べさせる派もある。アメリカ大陸の先住民・ユピークやマリはそうだ。ユピークの場合はお母さんが抜けた歯を肉やパンのなかに埋めてそれを子どもが自分で雌の犬に食べさせ、「もっといい歯にかえてくれ!」って言うらしい。犬はちょっと迷惑かも?でも犬としてはお肉をもらえるし、いいかな〜。


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