お茶のお稽古
2011-04-20


 久しぶりにお茶のお稽古に行った。炉のお点前がようやく身についてきたというのに、来月からは風炉になると聞いて少しばかり憂鬱である。友人によれば風炉は柄杓使いなど、見せ所がいくつもあるという。お茶に向いている人はそういう部分が好きなのだと思う。

正直なところ、私は自分でお点前をするよりも、上のお点前を見たり、友人が点てた美味しいお抹茶をいただいたりするほうが好きだ。元来が好奇心旺盛で食いしん坊だから仕方が無い。

お茶をやってよかったと思うのは、今まで見えていなかった日本の伝統文化に近づけたことである。客の身分やシチュエーションに合わせた数々のお点前、畳の歩き方、障子の開け閉め、お茶事の作法、水屋の仕事など…いろいろなところに伝統的な日本の暮らしや日本人の価値観が潜んでいる。そういうものを発見するととっても楽しい。これが私の茶道の楽しみである。

でも一方で、経済的にも時間的にも精神的にも余裕があり、文化への造詣が深い者同士が趣向を凝らして人をもてなし、互いの知識や宝物を披露する、という実に贅沢な趣味人の世界でもあると思う。そういえば、中国の「茶芸」の世界でも、「紫砂茶壺」の職人を呼んで話を聞いたり、お茶についてうんちくを語ったりこういう趣味人の世界、のようなものが復活していると聞いた。豊かなところに、趣味人が生まれ、その趣味人が文化を支えていく、そんな構図が頭に浮かんだ。


[日記]

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