台湾のメディアではこのたびの歴史教科書の綱要(普通高級中学国文と社会領域課程綱要)の改訂をどのように報道しているのだろうか。台湾の四大新聞の記事をネットで探してみた。各新聞の色が如実に顕れている。まずはGoogleで検索をかけたとき、最初にヒットした蘋果日報から。
蘋果日報(アップルデイリー)の1月29日付の記事「黨國幽靈仍在宰制台灣[LINK]」(陳翠蓮)はなかなか鋭い。タイトルを訳すと、「党国体制[i][LINK]のゴーストが今も台湾をコントロールしている」という感じだろうか?台湾大学歴史系教授・陳翠蓮はこの記事の冒頭で「旧正月直前に教育部がコソコソ、せっせと歴史教科書を改訂した」と批判し、改訂の責任者の専門家5名についても、専門が中国哲学2名、儒学1名や地理1名、経済1名と、台湾史どころか歴史学者さえ一人もいなかったと看破している。また台湾大学歴史系教授・周婉窈氏が検証した結果も載せており、「微調整」(原文=微調)が台湾史については大幅変更であったという事実をデータで示している。そのデータによれば、綱要中、台湾史課が占める字数2013文字中734文字、比率でいえば36.4%が書き換えられたという。中国史課は3728文字中114文字、比率でいえば3%しか書き換えられなかったのと比べるとその差は明らかである。(つづく)
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